Kushida Tetsunosuke – 櫛田胅之扶
火の伝説 |
●英題:Ritual Fire
●グレード: 3-4 ●演奏時間:約6分30秒 ●第26回サマーコンサート
作曲家の櫛田氏はもはや、現在の日本の吹奏楽界において説明不要なほどに有名な作曲家である。彼は数多くの作品の題材を日本の風土、歴史に求めており、きわめて日本情緒にあふれた作品を多く発表している。
さて、本日演奏する「火の伝説」であるが、言うまでもなく本作も主題はきわめて日本的なものである。この作品の題材は四季を通じての京都における火の神事、祭事、伝統であり、それを通じての人間の様々な側面が表現されていると言えよう。 作品は非常に神事的な曲調に始まり、後には荒々しいリズムを伴って、音楽は野生じみた感じを得る。人間の持つ、宗教的、静的な表情と荒々しい獰猛さ。これら両者はともに同じ「人間」というものを表現しているが、その根底には「火」という共通するモチーフを持っている。 人間と火をめぐる神秘、この曲に込められた主題はそこにあろう。 (第26回サマーコンサート) |