Miyagawa Akira – 宮川彬良
生業 |
●英題:NARIWAI
●グレード: – ●演奏時間:約14分30秒 ●第35回サマーコンサート
「私は作詞をすることを生業として参りました…」これは「レ・ミゼラブル」や「ミス・サイゴン」の訳詞で知られる作詞家 岩谷時子氏の自伝の書き始めです。芸術家が自身を語るために“ナリワイ”という言葉を使うのを初めて目にした宮川氏は、その一見ミスマッチとも思える組み合わせの奥に、岩谷氏の職人としてのプライドを見た思いがしたそうです。その思いに端を発し、2009 年に作曲されたのが「上昇思考」、「発明の母」、「易~生業」の3 楽章で構成されるこの曲です。楽章それぞれに、過去、現在、未来と連続して生きている私たちへの作曲者の思念が強くこめられたメッセージ性の強い曲となっています。
1 楽章では、歌謡曲のような軽やかさと楽しさを伴ったメロディから始まります。続く2 楽章では、チューバソロによって奏でられる旋律が次第に重なり、頂点に達したのち収束していきます。3 楽章は、再び1 楽章のような活気に溢れ[ 様々な和楽器によって彩られた祭囃子のような音楽になります。 「全く新しい」というより、「どこか懐かしい」という雰囲気を醸し出しているこの曲について、宮川氏は「現代風」という演出に騙されず、歌いたいように歌うのだ、とイメージを持って作曲にあたりました。 本日は、「いま」を感じながらも「むかし」や「みらい」を感じることのできる、宮川彬良の世界をお楽しみください。 (第35回サマーコンサート) |