Bart Picqueur – バルト・ピクール
地獄の踊り |
●原題:Danzas Del Infierno
●グレード: 6 ●演奏時間:約15分 ●第33回サマーコンサート
「架空の映画フィルムを想定し、そこからスコアリングした」と作曲者が述べるこの作品は、全5楽章から構成されており、どの楽章も不気味で怪しげな舞踏組曲という雰囲気を醸し出しています。
Ⅰ.悪魔のダンスホール(The Devil’s Hall)
曲は、低音楽器の重厚な響きの中、管楽器といクロテイルによる怪しげなソロが交互に登場するシーンから始まり、金管楽器の凶悪なファンファーレが響きます。その後も曲は不気味さを残したまま進み、消え入るように終わります。 Ⅱ.悪魔のタンゴ(Devil’s Tango)
ピアノとバスクラリネットのシンコペーションが効いたメロディーから始まり、何とも魅惑的なメロディーが重なっていきます。低音楽器の攻撃的なリズムの後、ホルンとユーフォニアムの旋律が響きます。ラストのユニゾンは、まさに踊りのクライマックスを表しているようです。ピクールの打楽器の用い方の秀逸さも光っています。 Ⅲ.間奏曲(Intermezzo)
様々な楽器が短い断片的な旋律を緻密に吹き継いでいき、行き着く間もなくラストを迎えます。緊迫したストーリーを盛り上げる役割を果たす楽章です。 Ⅳ.悪魔のワルツ(The Devil’s Waltz)
ハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」に近い雰囲気ではあるものの、かなり激しい曲です。激しいユニゾンから曲は始まり、アルトサックスのソロへと続きます。徐々に旋律が重なっていき、勢いを保ったまま終盤へ進みます。そして突然訪れる静寂の中、鐘の音が響き、ラストを迎えます。激しさの中にも美しさを含んだ楽章です。中盤のボイス・エフェクトにもご注意下さい。 Ⅴ.悪魔のカンカン(The Devil’s Can Can)
ベルトーンから始まるこの曲は、低音楽器がビートを刻み、木管楽器が小気味よく踊ります。打楽器も前面に出て、明快闊達な曲となっています。一貫して実にテンションの高い曲です。 全曲通して、悪魔の持つ様々な顔が際立っている曲です。そんな彼女の姿を思い浮かべながら聴いてみてはいかがでしょうか。 (第33回サマーコンサート) |